技術書典4で"Dark Depths of SMTP"を頒布した

そろそろ書かないとブームが過ぎ去りそうな感が否めないので書きます。

頒布物について

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SMTPの本です。

のような内容になっています。

「開発手法」

組版

LaTeXを使用。サークル「Cryptic Command」でもう1つ出す予定(で以下のログからわかるように当然のように後回しにした)だったもので数式を使う可能性があったのと、三木里さんがLaTeXプロいのでほぼ確定。次点はMarkdown-Pandocだったけど最終的にはLaTeXと戦わなきゃいけないのは否定できない。

チーム開発関係

Keybase を使用。メンバーがどちらも暗号通信に入れ込んでいるので暗号化基盤の優れたインターフェースってだけで試す価値があったが、そこに共有フォルダや暗号化Gitレポジトリまでついてくるのだから言うことがない。みんなもKeybase使おう。Keybaseはいいぞ。

GitHubにもグループ作ったが、github.ioを使うため+public resourceの公開のために作った感はある。

出版に至るまでの経緯

2017/9まで

まずなぜSMTPに触ることになったか、というところでいうと、以前から独自ドメインでメールの運用をしていたところ、ある日(確か2013年前後)を境にGoogleSMTPサーバー経由で独自ドメインのメールを送る設定ができなくなった、ということがあり、転送の設定をするだけでなく自分からメールを送信できるようにするSMTPサーバーの設置の必要が出てきた、というところから始まる。その後複数ドメインのメールの転送設定を1つのサーバーで行うところまではスムーズに来たが、昨年秋の「針の音楽団」の整理券システムでメール送信をするシステムを組むことになり*1、ここでメール不通事案が大量に発生したためそのノウハウをせっかくだし技術書典で出版しよう、ということで出版に至った。でだいたいこの計画があったのが去年の10月。

ここまでに、社内勉強会で「Eメールとかいうロストノウハウの話」と「Dark Depths of Email/SMTP」というタイトルで2回発表。だいたいsylph01担当分の原稿のベースはこれから来ている。

2017/11

「技術書典とアドベントカレンダーともう1個*2終わるまでポケモンウルトラサンムーンやらないよ」宣言をする。

2017/12

アドベントカレンダーが10日しか終わらなかった。ポケモンはダブルパックを買ったものの未着手。

2018/1

オケの本番が2つあって、そのうちの幻想郷交響楽団の本番にサークルメンバーの両方が乗ってた。はんぺん氏へのイラスト発注はここ。着手することにする。1月末にまえがきが書き終わる。だいたいそのまま。ついでに自分の担当分の章立てがほぼ確定。

ポケモンは完全に旬を逃してやる気を失う。

2018/2

だいたいここで共著者の三木里さんから第4章の原稿が上がる。2/3に半分、2/12に全部。それを受けて自分の担当分は2月後半には終わらせてる予定だったがこの間ほとんどコミットログがない。

2月後半、プラハ出張が決まり、発表会が巻き込まれたので楽器のモチベーションが地の底に落ち、代わりにKACとEXTRA EXCLUSIVEとThe Arrow Panelを見てDDRのモチベーションが上がり、Lv15以上の攻略を始め、POSSESSION(ESP)をクリアする。ポケモン?なにそれおいしいの?

2018/3

  • 3/4: Elemental Creation(ESP)をクリア(Lv17 2つ目)。
  • 3/9: London EVOLVED ver.C(ESP)を緑フルコン(Lv14初)。
  • 3/15: 第1章の初稿。
  • 3/18: 第2章・第3章。
  • 3/19: 奥付に著者紹介がついた。だいたい音楽活動のことが書きたかっただけ。画像リソースの追加。PostSRSdの設定を追加。systemdに関して記述が怪しかったところの指摘があったので修正。
  • 3/21: ページ数が48で確定、文章ほぼ確認終了
  • 3/23: Healing D-Vision(CSP)をクリア(Lv18 1つ目)。
  • 出張中(3/24-3/31): はんぺん氏のイラスト確定稿が着弾。階段から滑り落ちて足を怪我する。

2018/4

  • 4/1: コードとかを表示しているsnippetboxの文字サイズをfootnotesizeにする
  • 4/2: Let's Encryptについて、自分のサーバーがcronで自動化してる設定だったのが、最近はそれしなくてよくなった(systemdに勝手に入ってくれる)ということなので修正。
  • 4/6: typoに気づく。source routingに関するコラムの補足を追加、技術書典の一斉送信メールでDMARCがFAILしているのの実際のログを追加(!)、メールの転送の設定のところを追加
  • 4/10: 「足のリハビリ」を開始
  • 4/11: cryptic-command.net ドメインを取得、Webサイトを立てる。メールアドレスも開通させる。この設定を確定原稿見ながらやった。
  • 4/12: 脱稿。日月火とねこのしっぽさんがお休みだったので10%早割入稿は逃したが優遇イベントだったので5%早割をget。ついでにReach the Sky, Without You(ESP)クリアでLv17 3つ目、roppongi EVOLVED ver.B(ESP)を青フルコン(Lv15初)。
  • 4/14: Lv15フォルダを埋め終わる。
  • 現時点でポケモンは未開封。

よーするに

完全にダメなやつじゃないですかやだー!! 定常的な出力を出すことが得意でないのは承知しているにしても記録の形で明らかになるとちょっといかんですねこれは。

当日の頒布実績

印刷部数は100部で、これは技術書典4と他イベント(後述)頒布分+テックカンファレンスで手で頒布して回る分を考慮しての部数でした。で当日の頒布実績は53部で、40〜50部を見込んでいたのでほぼ見込み通り、サークル自体が落選して委託で出した関係で周囲がジャンル違いという条件でこれなのでかなりいい感じだったのかな、と思います。

今後の「Cryptic Command」としての活動

次は東京大学の五月祭の「コミックアカデミー16」にて今回の残部*3と、コミアカの主要参加層である高校生・大学生向けの軽めのコンテンツをコピー本/無料配布ペーパーの形で出す予定です。コミアカは学生時代にスタッフをやっていて、Webサイトのデザインを組んだりしていたのですが、サークル参加は初になります。

また、サークル名はメンバーがどちらも暗号技術方面で活動しているためにこのサークル名になった*4ので、後回しにすることになった暗号学に関する本をどっかのイベントまでに形にできればなー、と思っています。アドベントカレンダーの残りは…うん…Gifts Ungiven*5にならないようにするよ…。

ちなみにサークル「Cryptic Command」は某区の団体登録をしているのでボードゲーム会を開くことができる

その他気づいたこと

  • フォントが思ったよりでかかった、また、ノンブルの位置が通常と逆(ノンブルの位置は意図していたとのこと)。このへんは実際に印刷して確認をする必要がある。
  • 目次がなかった。文字の本で分量が多いので、目次見て何が入ってるかのあたりをつけたいというのはある。
  • タイトルのマーケティングミス。Dark Depthsという割にはSMTPはじめましての人向けでも問題のない内容だし、一方で当日に手に取った人の様子を見ると、ほんとにDarkでDepthsな内容を期待した人にとっては期待はずれだったのではないかという感覚があった。この点では説明文も割とミスリーディングで、運用記録というだけでは誰をターゲットにしているかが明確でなく、ほんとに手にとっていいものかわからないという問題があった。
  • 応募時に2つ出すよというつもりで書いていて、テーマが「暗号技術」と「SMTP」だったので、配置がしにくいという理由で落選圧がかかったのではないかと考えている。これは漫画『魔法使いの印刷所』を読んでいて複数ジャンルにまたいで応募書類書いてあるのを書類不備で落としているシーンがあったのを見て思った。

ネタ

あとがきにも書いているのですが、表紙が魔理沙霊夢なのはタイトルと関係があって、Magic: the Gatheringには《Dark Depths/暗黒の深部(CSP)》というカードがあり、これの封印が解けると《Marit Lage/マリット・レイジ》という20/20で飛行と破壊不能を持つ*6黒の伝説のクリーチャー・トークンが出てきます。なのでマリレイです。…おあとがよろしいようで。ちなみにこれ、ノーヒントで気づいた人が一人いるらしい。

*1:まあ言い出しっぺはCryptic Commandのメンバーなんですが

*2:数日後にブログ記事が出ます

*3:というより技術書典+コミアカ2回分の分量を見込んで発注してある

*4:当然《Cryptic Command/謎めいた命令(LRW)》が由来

*5:日本語名は《けちな贈り物(CHK)》

*6:つまり、一撃で対戦相手を葬れるのに破壊できないと書いてある、まるで小学生のぼくのかんがえたさいきょうのくりーちゃーみたいな性能